秋も深まってきました。
天気予報では都心より1〜2度低い気温が表示される八王子市にある多摩美八王子キャンパスは、朝晩が「冷え込む」といった気温です。
(これから家村ゼミ展を観に八王子キャンパスへいらっしゃる方はぜひ上着をご用意ください)
先週土曜日には、閉館後の展覧会の会場内でトークイベント「金氏徹平のリモートトークセッション」を開催いたしました。
皆様ご覧いただけましたでしょうか?
(ご覧いただきました皆様、ありがとうございました!)
このイベントでは、金氏徹平さんをはじめ、2017年の最初の家村ゼミ展から「定点観測」的に毎年トークイベントに参加いただいている、成相肇さん(東京ステーションギャラリー学芸員・評論家)、中尾拓哉さん(美術評論家)をお招きして、教員やゼミ生と、家村ゼミ展2020の構想や企画の経過について振り返りつつ、会場構成や展示作品についてトークを交わしました(当時の外気温は11℃…寒かった……)。
家村ゼミ展では、毎年、トークセッションを事前予約制で開催していましたが、今年のコロナ禍の状況を鑑み、多摩美が独自に定めた感染症拡大防止に関する各種ガイドラインに則って、観客の方を1箇所の会場に集めず、zoomによるオンラインミーティングをYouTube Liveを用いて事前登録や人数に制限を設けず公開するという形式でイベントを開催することとしました。
トークでは、作家、ゲスト、教員、学生が2フロアにわたる会場に散らばりました。
これにはもちろん密を避けるという意味合いもありますが、今年の展覧会タイトルは「金氏徹平のグッドベンチレーションー360°を超えてー」ということで、それぞれが異なる360°の景色に囲まれ、それぞれがそこで感じたこと、考えたこと、思い出したことなどを、一つのzoomでのミーティングというオンライン空間に集まり、互いに語り合うことで、様々なパースペクティブを共有し、360°を超えた展覧会の鑑賞を目指したものでもありました。
そのために、トーク中にiPadを持って会場内を回り、その時々に話題となっている作品や展示室を撮影するスタッフを配置したり(トーク中会場内を何周もしました)と工夫もしましたが、何より大変だったのは会場内のどこにいてもオンラインでトークできるほどのインターネット回線を会場に構築することでした。
アートテークギャラリーは、コンクリート造な上に一部に窓のない部屋もあり、一般的な携帯電話のデータ通信さえ難しい場所があります。また、今年の家村ゼミ展は2フロア構成のため、今回の展覧会やイベントのために臨時のwi-fi環境を構築しました。
展覧会の搬入の前後には会場内のどこにwi-fiルーターを置くとまんべんなく通信ができるかを検証する作業も行いました。
作品ではありませんが、目に見えないもの(wi-fi)のための設置作業にも時間がかかってます……。
そんなトークイベントですが、YouTubeでのアーカイブ公開の予定は現時点ではございません……。
これは、観客の方のいる、これまでのリアルなトークイベントと同じ「一度きり」の体験とするためです。どうかご理解ください…。
トーク内容については来年(2021年)3月に刊行予定の『家村ゼミ展2020ドキュメント』への掲載を予定しております。
詳細は決まり次第改めてこのwebサイトやtwitterでお知らせいたします。
ご期待ください。
会期終了後はドキュメント刊行に向けてこれまでとは違う指向の作業を行うことになります。
2020年の家村ゼミ(展覧会設計ゼミ)の後半戦がまもなく始まるのです!
家村ゼミ展2020サポーター 内藤和音(多摩美術大学大学院芸術学専攻2年)
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